【前回の記事を読む】そんな顔、するんだ――ライブ中、隣の彼と目が合った。私、この人のこと好きかも……

訳アリな私でも、愛してくれますか

今まで感じたことのない気持ちで、心が満たされる。そのせいで変なことを口走っているのはわかるが、それよりも全身で感じられる秋斗の体温が恋しかった。

「好きかもって、思ってくれた?」

「……うん」

「まだ、『かも』って感じ?」

「……ううん。好き、だよ」

おそるおそるその背中に手を回す。こんな事自体が初めてで、自分がどうしたらいいかもわからない。それでも、その背中に手を回したい、もっと触れたいと思ってしまった。

「俺と、付き合ってくれる?」

「付き合う!? そう、なのかな……?」

「ここにきて優柔不断かよ」

「……いや、ごめん、違う。うん、好き。私も、付き合って欲しい……です」

素直な言葉を口にすると、少し身体を離して目が合う。改めてその目を見ると、心が幸せで満たされる。

「もう1回、俺の目見て言って」

「えっ、やだ、恥ずかしいもん」

「俺は理子が好きだよ」

「……私も、好き」

その言葉で、秋斗の口角が上がる。そしてすっと距離が近づいたと思ったら、唇同士が触れ合った。

「っ……!」

初めて誰かの唇に触れた感触は、ただ柔らかい。そして愛しい。唇が離れたこの一瞬で、すでにもうそのぬくもりが恋しくなっている。