【前回の記事を読む】声優学校に通っても、その多くが声優になれない現実。一見簡単なようで、実は非常に難しい要素がある。その理由とは

一 声優になるとは、どういうことなのか

一‐二 いい声優になるとは、どういうことなのか ~沢村祐太朗~

仲間以上に努力しているという自負はある。ナレーションになれば一番噛まないのは自分だし、尺を合わせるのが一番上手いのも自分だ。評価されている仲間が、どこか凄いのはわかる。いずれあの子達はトップ声優になるだろう。その雰囲気があることは声優オタクの千里眼がすでに答えを出している。

しかしその仲間と比較して自分は何が劣っているのか。それが沢村にはわからなかった。

沢村は六本木にある事務所を訪れ、神野を待った。

沢村 神野さん、忙しいところ本当にすみません。僕は一体何が駄目なんでしょうか?

神野 なるほど、沢村は自分が駄目だと思っているわけだ。最初の頃は、自信満々だったのにな

沢村 確かに、最初の頃のレッスンでは、みんなたいしたことないなぁとか思ってました。でも、やればやるほど自分が小さく見えてきて、みんなどんどん成長していくのに自分は取り残されている感じで……

神野 因みに、どんな時にそれを感じるんだ?

沢村 うーん、明確な瞬間とかがあるわけじゃないんです。何かいつの間にか、雰囲気が違うというか……

神野 いつの間にか周りはプロになっていくのを感じた、みたいなことかな

沢村 そうです、まさにそんな感じです。周りはプロになっていくのに自分はまだアマチュア……。練習は人一倍しているつもりだし、台詞を噛んだりしてないのに何でって

神野 沢村から見て、周りの優秀な子は何がいいのかな?

沢村 上手く言えないんですけど、オーラが違うんですよね、同期なのに変なんですけど。杉村さんとか、彼女は近い将来、スターになりますよね。わかるんですよ、台詞が上手いとか以上のものがあるじゃないですか

神野 杉村にあって、沢村に無いのは、声優としてのオーラみたいなものってことになるが、そうなのか?

沢村 そうですね

神野 じゃあ、オーラが出るにはどうすればいいかを考えればいいんじゃないのか?