【前回の記事を読む】読解力が身に付き、プレゼンが上手な大人になる! 10代で経験すべき「伝える力」の磨き方

一 声優になるとは、どういうことなのか

一‐二 いい声優になるとは、どういうことなのか ~沢村祐太朗~

沢村に限らず、この悩みを(とりあえず)解決できるかどうかが、声優としての最初のポイントになる。しかしこの答えを導きだせる指導者は少ない。

仮に「噛まない技術を磨くこと」を教えるのが指導内容であれば、教える先生は簡単だ。ただ観ていて聴いているだけでいい。どんな先生でもできる。

ただ、表現の基本無しに噛まない読み方をがっちり身に付けてしまうと、取り返しのつかないことになる。

仮に「尺に合わせて読むこと」が重要なポイントだとすると、それを監督することも誰にでもできる。

しかし演技ができていない人が尺に合わせて読むテクニックを身に付けてしまうと、永遠に声優にはなれないと言っても過言ではない。

声優の専門学校や養成所などが数多くあるが、声優というタレント業が狭き門になっているのは、要するに教えるということが、一見簡単なようで実は非常に難しいからだと推測できる。

声優業にマニュアルは存在しない。それは、声優業界にいる人間からすれば当たり前のことだが、この世界の外にいる方々は、声優は〝職人〞だと思っていることが多い。

手に職を付ければ食べていける、その〝身に付けた職〞を頼りに〝こなせる仕事〞の一つが声優だと思っている人がいるが、それは大きな間違いだ。