三月七日(金)
朝元気にパトロールしていた。血尿は同じ。便は少量、硬い。今日も高所に登っている。
午前中に病院に行って点滴を受ける。体重は4・72kg。下痢騒動があったものの維持はできている。夕方嘔吐したが、唾液主体で一度きりだったので様子を見る。
この日の栄養は230キロカロリー。水分は飲水300mlに点滴120mlの合計420mlだった。
三月八日(土)
久々に猫さんが「夜間解放軍のリーダー」になった。これは、深夜にケージに入らず、家の中の好きな場所で過ごしてもらう事を指す。条件は、深夜に排便の心配がない事。便のついた足で布団に入られると衛生上問題があるという事で、我が家で決めたルールだった。しかし、深夜に排便をする「裏切り行為」もこれまでたまにある。裏切り率はこれまでの統計では二割前後だ。
その裏切り行為が発覚した。早朝、猫さんは堂々とカウンターキッチンの上を練り歩いているところを捕獲された。足を拭くと、ふてぶてしい顔で睨み、足を引っ込めようとする。血尿は変わらず。便は固いのが救いだった。
朝から動きも良く、高所にも登っていた。午前中早めに病院に連れて行き点滴を受ける。体重は4・72kgと変わらなかった。
会計が終わった時、時計を見るとまだ十時だった。猫さんも元気だし、私はこれまで決めかねていた事を実行に移そうかと考えた。それは、愛知県への日帰り一人旅だ。
愛知県田原市の作文コンテストで入賞していたのだ。その街の図書館では私の作品が展示されているという。是非見に行きたい。しかも展示期間は三月十三日まで、もし行けるとしたらこの日だけだった。しかし、猫さんが体調を崩して毎日病院通いだったので、どうしようかずっと迷っていた。今なら下痢も止まっているし、食欲もある。そして受診はたった今終わった。
私はすぐに猫さんと家に帰り、妻に猫さんの事を託して家を出た。新幹線に飛び乗り豊橋で降りて在来線に乗り換えた。向こうの図書館ではアポなし訪問だったにも関わらず、職員の方が歓迎してくれ、即席の表彰式まで開いてくれた。現地の滞在時間は僅か十五分だったが、賞状を小脇に抱えて幸せ一杯の気分で帰途についた。
帰りの新幹線の中でふと考える。ここ一か月の間に不思議な現象が立て続けに起きていた。エッセイや作文、詩や自分史の公募に次々と入選したのだ。それも、自分の過去の受賞歴から見ても多過ぎるペースで。
これは猫さんの最後の魔法ではないかと思うと、切なさが込み上げてくる。
次回更新は5月10 日(日)、11時の予定です。
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