【前回記事を読む】若い社員が致命的なミスを犯した。だが会社は無関係の私にすべての責任を押し付けた――彼は上級国民の息子で「詰めが甘いんだよ…」

マーガレットお婆さん

「三人の子は大学に行かなかったけど、三人ともどこに出しても恥ずかしくない一人前の大人になった。夫のヘンリーは一家を支えるため、配管工として朝から夕まで勤勉に働いたわ。腕のいい職人だったから、注文は途切れることがなかった。そして毎日曜日必ず家族五人で教会へ行った。両親はわたしたちの幸せな姿を見て神に感謝した。この人と結婚して良かったと思ったわ」

父であるヘンリーは休みの日に子どもたち三人をクルマに乗せて、よくピクニックへ連れていってくれた。お婆さんはサンドウィッチとフルーツのお弁当を作り、魔法瓶の水筒に温かいスープを入れて、それらをバスケットに納め持っていった。

「お茶の時間、ヘンリーはお湯を沸かして、炭鉱労働者のやり方でお茶を入れてくれたわ。ポットを直接火にかけて、その中に安価な紅茶を入れて煮るのね。お上品じゃなかったけど、『昔の人の苦労を思い出すことが大事だよ』って、子どもたちのカップに紅茶を注ぎながら言うのね」

「ヘンリーはある日、樅の樹の苗木を手に入れて、家の庭の一番目立つところに植えたの。毎年クリスマスになると家族五人で飾りをつけるの」

お婆さんは幸せだった時の思い出に浸って、一頻(ひとしき)りうっとりしていた。

中庭に植えられた中位の背丈の樹木に、スズメより小さな黒い鳥の集団がやってきて、枝に止まってはその位置を順番に変えていった。

一羽だけ追っていくと一本の樹木の枝をぐるぐるまわっているように見え、群れとして見ると、一つの鳥の塊がその樹木に止まっているように見えた。