【前回記事を読む】会社は追い込まれたが、誰もマスコミを悪く言えなかった。再起を図るには、またマスコミを利用しなければならないから…

アメリカ文学ゼミ

私は編集の仕事を通じて、この国の人々とこの社会にとっての「正義」とは何か、という問いを持ち続けてきた。

大人になって、「正義」は一つではないと考えられるようになった。また「正義」は、刻々と移り変わるものでもある。

若かりし頃、アメリカ文学ゼミに在籍していた私は、「正義」とは何かについて手探りで考えていたのだと思う。サリンジャーが、『ライ麦』で描きたかったこととは、何だろう。

大人になると、日々の生活に安住してしまい、知らぬ間に、大人たちの偏見や不寛容な精神に染まってしまう。

心の中に子どもの目を持ち続け、ふと立ち止まって、子どもの目でこの世界を見つめてみれば、何か新しい発見や解決策が見つかるかもしれない。

いつもどこかで、ホールデン・コールフィールドのように、子どもの目で見ることを忘れないで、それを試してみようと思う。そうすれば、変わっていくものの中に、変わらない何か大切なものを見出せるのかもしれない。