ある日の大ちゃん騒動実況中継

おっ、今日もまた爺さん、おもむろに立ち上がった。

目がキョロキョロしてスローな爺さんにしてはちょっと焦っている様子。

どうした爺さん、トイレか?

「何? トイレ?」の問いにも答えぬ慌てぶり。

が、しばらく行くと歩みを止め、一呼吸あって、急にUターンし戻り始める。

おっ、これはまずい! 嫌な予感。

心なしか先程までの切迫感が消え、穏やか面持ちである。益々怪しい。

「トイレでしょ?」

「いや違う」嫌にはっきり否定する。

爺さんの尻をクンクン。おー大ちゃんがすでにいる匂いだ。やられた。「早く、トイレ行くよ!」

「なんでだ?」

「うんこしちゃってる!」

「してない!」「してるの!!」

トイレに急かし便座に座らせリハビリパンツを下げる。

そこには、いつもの雄姿からは見る影もないベチョとした大ちゃんが「すみまっしぇん! 出ちゃいました」とばかりに横たわっている。

「ほら、見ろ! これは何だ?!」

現物を見せつけられ、さすがにぎょっとする爺さん、「なんじゃこりゃ?」

爺さん、アンタ松田優作か?

「なんでだ? なんで?」

そんなの知るか! 私に聞くな!これもいつものパターン。貞さんにしたら、大ちゃん予感で立ち上がったが、今日の大ちゃんは急いでいて、スローな貞さんがトイレ到着まで待てず旅立ってしまったのだ。貞さんは何だか分からないけど、トイレに向かっている途中で、急にスッキリしてしまって、「うん?      まあいいか。なら戻るか」ってところだろう。

自分だけ勝手にスッキリするなよ。頼むよ、貞さん。