このような子供たちの思いに至った背景は何だったのでしょうか。もちろん、親が将来のあるべき姿を教えたということもあるでしょうし、そのような社会全体の風潮も影響しているのでしょう。それにしても、これが本当に幸せな人生なのかと考えさせられます。
私は、息子二人の大学受験に際し、「自分で大学を選択し、自分が学びたい学部で勉強しながら将来の目標を定め、充実した大学生活を送ってほしい」と願っていました。だから、たとえ受験に失敗したとしても、自分がやりたい道に進んでほしいと思い、それを息子たちにも伝えてきたつもりです。
しかし、一方では私の心の中にはもう一人の自分がいて、「ちょっとでも名の知れた大学に行ければいいなあ」という親のエゴもあるのです。
それは、就職に際し多少有利になるという側面もあるのですが、その願いの裏側を追究してみると、「息子が有名大学に入ると、周りから『すごいね』と言われる」「ほめられるとうれしい、誇らしい」といった優越感に浸ろうとしている、醜い心が潜んでいるのです。そして、目には見えない真っ暗闇な世間体に呑み込まれている自分がいるような気がします。
では、なぜ私たちは周りの人から「認められたい」と思うのでしょうか。そして周りの目を気にするのでしょうか。これについては第二章で述べたいと思います。
3 自信がもてない若者たち
令和6年度の厚生労働省・警察庁の調査参1によれば、現在、日本国内の自殺者は2万人以上にのぼり、そのうち学生・生徒等は約1000人もいます。特に中高生の自殺者数は右肩上がりに増加しています。国内で毎日50人を超える人が亡くなっていることになり、学生・生徒等は一日に2~3人となります。
私の息子二人が高校生の頃、同じ高校で自ら命を絶った人がいます。親の気持ちを考えたとき本当に心が痛み、同じような苦しい思いをする人をこれ以上絶対に出してはならないと強く感じたものです。
私はこれまで中学校現場において、失敗や困難に直面し、自分に自信を失い、生きていくことに希望がもてないと感じている生徒を見てきました。
1 『令和6年中における自殺の状況』(厚生労働省・警視庁、2025)
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