褥瘡と皮膚感染
褥瘡は、圧迫、摩擦、低栄養、不潔など多くの因子が複合して発生し、局所の感染を伴う。
発生ゼロが目標であるが、全身状態不良のハイリスクの患者さんが多く、因子の総合的改善は難しい。
状態の評価(DESIGN-R®)をおこない、褥瘡カンファレンスと、月一回の褥瘡対策委員会でも討議している。
圧迫、摩擦に対しては、九十六台の圧切替え型エアーマットと体位変換。低栄養は栄養サポートチームの介入による栄養管理をおこなっている。
皮膚の清潔は、二〇一九年からウルトラファインバブル発生装置(ピュアット)による入浴法を導入している。
皮膚洗浄剤が不要で時間の短縮、入浴介助者の負担が軽減し疥癬(かいせん)発生数ゼロの効果をもたらした(図9)。
褥瘡発生防止効果も期待したが発生率は減らず増加した(図9)。発生に多くの因子が関与する難しさである。
一方治癒率でみると二〇二〇年度50%、二〇二一年63%で治癒までの期間が短縮されている。観血的処置後の局所の清潔維持が貢献していると考えられる。
第四節 ヒヤリハット報告
ヒヤリハット報告数は、年間三百件(老健を含む)以上が報告されている。
一件ごとに各部門に掲示され、他スタッフの意見も書き込まれる。最終的には代表者会議で対応策が示され検討される(図10)。
報告例は「転倒、転落の危険」が最も多く、17%を占めている。人工呼吸器関連は5%である。
アクシデントは認知症を合併されている患者さんの予期しない行動の転倒による外傷、骨折である。骨折は、年間一~二例発生している。
センサーマット、離床センサーの感知では間に合わなかった患者さんの突然の行動による。
骨折は連携病院に転送し手術を受けられ当院に戻られている。階段が無防備のため、歩行可能な認知症の方の入院は原則お断りしている。
抑制はしない方針で入院時に転倒事故の発生についてご家族に説明しているので、これまで訴訟になったことはないが、許されることではない。
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