泣き虫新郎
先日、娘の結婚式を無事に終えた。
一人娘を嫁がせる男親の心境は如何ばかりかと心配していたのだが、案ずるほどでもなく終始笑顔の1日だった。
というのも、新郎が式の最初から泣き通しで、娘はそれを見て可笑しくて仕方がないようで、ずっと笑っていた。
まあ、皆様方には「何て明るい新婦なのだろう」という印象を持っていただけたかと思う。
せめて、定番の両親への手紙を読むくだりでは、お涙頂戴があっても良かったのではないかと思う。
圧巻は、新郎が勤める学校の教え子たちからのサプライズである。
同僚の先生方が、プロも顔負けというような、ドラマ仕立ての映像を創ってくれた。大きなスクリーンに映し出されたのは、実際の生徒たちである。
サプライズを相談している場面から始まり、何やらA4サイズのコピー用紙に、赤のマジックインキでドットを懸命に打っている。
それを繋げて大きな巻紙に仕上げると、校舎の屋上に運び始めた。そこへ、屈強な生活指導の先生が現れ、それを阻止しようとする。
生徒2人がその先生を抑え込んでいる隙に、残りの生徒がその横をすり抜けた。
画面は一挙に引き、3階の屋上から巨大な巻紙を垂らすシーンに変わる。
何とそこには、花束を持った2人の姿がお祝いの言葉とともに描かれていたのだ。そのスケールの大きさと、まるで青春ドラマを見ているような演出のでき栄えに、披露宴会場は騒然となった。
ただでさえ泣き虫の新郎はこの段で号泣となり、一方の娘は益々笑顔が弾けたのだった。