学級委員長の役割は、授業前の連絡会の進行や、調整、出席簿の記入、担任からの伝達事項を毎日、生徒に知らせることと、月1回の学級会で、問題点を話し合う際の司会などだった。

各委員の役割が決まると、担任からの指示で、決められた委員同士が初めての顔合わせを行い、学級会に向けての打ち合わせが始まった。

緊張はようやく落ち着き始めたが、幸三はまだ夢心地のような気分で、何がなんだか分からないうちに、司会を任されることになった。

気は動転していたものの、持ち前の度胸で、なんとかその場を上手に乗り切ることができた。

学級会が終わると、女子の学級委員長になった美智子がそっと近づいてきた。色白な頬をほんの少し赤く染めながら、遠慮がちに声をかけてきた。

「私が学校を休んだ時は、授業のノートを貸してほしいの。それから、クラスでどんなことがあったか教えてほしいの」と、不思議に思ったが、断る理由もないので「いいよ。ちゃんと教えるから大丈夫」と軽く答えると、美智子はほっとしたように微笑みをこぼした。

美智子は同じクラスの仲の良い女子にも同じ頼み事をしていたらしい。