発達障がいの代表的な症例
【自閉スペクトラム症】
私のクリニックを訪れる自閉スペクトラム症のお子さんを見ていると、マイペースで自己中心的であるという印象があります。自閉スペクトラム症の中でもIQ70未満で周りの環境に適応するのが苦手で、日常生活に支援が必要な場合と、IQ70以上であまり支援を必要としない場合とで、大きく2つに分かれており、後者のものは高機能自閉スペクトラム症と言われています。
前者の場合は、早期に言葉の遅れなどがあり、比較的症状に気づかれやすく、周囲の理解も得やすいですし、支援の手を差し伸べやすいのですが、後者の高機能自閉スペクトラム症の場合は成績がまずまずなため周囲から気づかれにくく、支援の手が差し伸べられないまま、友人たちとのコミュニケーションのそごなどからトラブルが発生してしまうことがあります。
特に、他人と受け身なら付き合えるという、受け身型タイプですと、自閉スペクトラム症を抱えていることに気づかれにくいので注意が必要です。受け身型自閉スペクトラム症の中に、「すみません、ごめんなさい」とすぐ謝るタイプを時々見かけます。そういう人たちを私は「超受け身型自閉スペクトラム症」と呼んでいます。
特徴としては、自発的に自ら行動することや自分の今日着る服を選ぶといった、自分から何かを選択することが苦手です。そのため、休み時間や自習時間よりも、これをやりなさいと指定されている普段の授業の方がむしろ楽だと感じています。