『初めての女風利用』【みつき】

新しい人生のパートナーを探したい私が、離婚してまず始めたのはマッチングアプリだった。

自分が思っていたよりも男性からの反応はあった。

47歳バツイチでも世の中に需要はあることに少し驚いた。でも人生のパートナーを探すことはそんな簡単なものではなかった。

時々、ニュースにも取り上げられる「ロマンス詐欺」や「投資詐欺」であろう人もたくさんいた。幸運にも私は人を見定める力があるのか、途中で何か違和感を覚えて詐欺の被害には遭わずに済んだ。

もちろん男性の中にも、本当のパートナーを探している人もいた。そんな男性とも数人出会った。中には、本当に優しくていい人もいた。けれど、どこか価値観が合わず、それ以上の関係に進むことができなかった。会うたびに感じる違和感。価値観のズレ。私の気持ちを全てさらってくれる男性には巡り合えなかった。

〝ずっと続いていた元旦那とのセックスレス〟

『女性用風俗』というものに興味をもっていたけれど、正直、このサービスを利用するかどうかはかなり悩んだ。女性が受ける性的サービスとはどんなものなのか。そして、〝風俗〟という世界は私の人生には一生無縁なものだと思っていた。

興味本位だけで、いろいろな女風のホームページを覗いたこともある。

顔を出しているセラピストやモザイクをかけているセラピストもいた。

そして、そこには、そのセラピストを利用したお客様の口コミもあったり、セラピストが発信するブログのようなものもあったりした。在籍するセラピストから誰を選ぶのかの参考にはなりそうだった。

ただ、みんな若い。

47歳のおばさんを相手してくれるのだろうか。体型に自信があるわけでもない。

かなり悩んで時間だけが過ぎる中、離婚が本格的に進み始め、仕事もフルタイムで復帰する時期が来た。

〝猛烈に誰かに甘えたい〟

そして、私の人生の転機。誰かに背中を押してもらいたい。どうせ離婚するのだから、誰に遠慮することがあろうか。お金を払うのだし、あちらもプロ。

女風の利用形態などもお店によって違いはあるけれど、だいたい1時間1万円が相場のようだった。

あまり若過ぎなくて、優しそうで、背の高いセラピストに自然と目が行く。震える手で、携帯の予約画面から問い合わせをした。

予約したのは4日後。4時間の予約をした。

お客様からのリピート率も高くて、人気のあるセラピストYくん。

〝なんとなく、この人がいい〟ただの直感だった。

事務所からは、

「予約時間前にはホテルに先入りして、ホテルの部屋番号をお知らせください」

と言われていた。

当日まで、何度も何度もキャンセルを考えた。本当に行ってもいいのだろうか。

私なんて相手にしてもらえるのだろうか。怖い思いはしないだろうか。

そして、当日を迎え、お店に勧められたラブホテルに一人で入り、部屋を決めてセラピストの到着を待つ。

まず、ラブホテルに一人で入るなんてことは今までの人生で一度もなかった。

ラブホテルが何軒か連立する道を歩く私は、周囲からはかなり挙動不審に見えていたと思う。

入室してからも落ち着かない。ソファに座っては立ち、お金を置いて帰ってしまおうかと部屋の中をうろうろしていると、だんだんと待ち合わせの時間が近づいていた。

フロントからの電話が鳴る。

「お相手様が到着されましたが」

「はい。大丈夫です」

エレベーターが着く音、部屋のチャイムが鳴る。平静な様子を装いつつ、恐る恐るドアを開ける。

そこにいたのは、想像よりもはるかに素敵な男性セラピストだった。