緊急手術

手術室に入って意識が朦朧としている中で、いくつかのシーンを鮮明に覚えています。

運搬用のベッドから手術台に移されたとき、TVで観たきれいな手術台ではなく、マグロの解体ショーで使うステンレス台のようだな……と思いました。

あ~私は、胃壁が破れて内容物が胃の外に漏れているからだと、妙に納得します。

全身麻酔処方の前に、医師から、

「大丈夫ですよ、呼吸はちゃんと機械がしますからね、心臓もちゃんと見ていますから」

と声をかけられましたが、何のことだかわかりません。

あとから知ったのですが、全身麻酔では呼吸が止まるので人工呼吸器を装着するのですね。

医師から、

「今から始めます」

と言われます。その瞬間意識がなくなるのですが、意識が遠のく瞬間を鮮明に覚えています。

スーーーと意識が【無】になる瞬間……心地好いと感じました。

たぶん死ぬときは、こんな感覚なのでしょうか。あとは何も覚えていません。

医師から顔をパチパチされて、

「終わりましたよ」

と告げられます。

意識が朦朧としていて、よくわかりません。そのままICU(集中治療室)へ直行です。

手術中は何をされたかわかりません。

あとから医師、看護師、家族から聞きましたが、手術は7時間かかったそうです。

胃壁が破れているので内容物が外に漏れ、腹膜炎になっていましたので腹膜もかなり切除して、内臓を身体の外に出して3回洗い流し、洗い流した水は3回とも、がんの種が残っていないかを検査したそうです。少しは残っていたようですが。

がんは横に広がっていなかったので、胃の半分が切除になりました。

救急車をお願いしたのは、正しい選択でした。

医師から、

「あと1時間総合病院への到着が遅かったら、手遅れになっていたでしょう」

と言われました。

切り取った胃は、手術後の説明で女房に見せられたそうですが、何かに食いちぎられたような穴が空いていたそうです。

このとき初めて、スキルス胃がんだと告げられたのです。

次回更新は3月27日(金)、14時の予定です。

 

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身体中に管が取り付けられ身動きがとれない。頭は朦朧するが麻酔が切れると傷口がすごく痛む…人体実験をされているような…

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