【前回記事を読む】まだ9歳なのに…私は激しく動揺した。猫が浴槽でおしっこをした。しかもその色は、はっきりと分かるほどの赤褐色で…。

悲しみの底で見つけたもの~猫さんが生きた八十九日間の記録

二月十四日(金)

血尿は続く。トイレの砂がいつも赤い。そう言えば、昨年の暮れあたりから、いつも赤かったような気がする。どうして気がつかなかったのだろう? 砂の質が悪くてそう見えるだけだと思っていた。

午前中にかかりつけを受診した。この日は院長ではなくて、週一で勤務する女性医師の担当。尿検査は見た目通り潜血が強くて、3+。レントゲンでは結石ありとの事だった。驚いたのは採血だった。腎機能を表すクレアチニンが3・9と高値だったのだ。昨年九月の健康診断では1・6と基準範囲内だったのに。

同じく腎機能を表しているBUNは正常値なので、結石が尿管に引っ掛かっているのでは?との見立てだった。二週間後に再来するように言われ、更に二次病院で一度CTを撮ってもらうことも提案された。所沢と川口に二次病院と呼ばれる医院があるらしい。それは直接行っても受け付けてもらえない、獣医師からの紹介のみで受診できる専門病院の事だった。

そして、腎臓療法食を勧められた。この時、療法食の説明を受け、動物病院でしか取り扱っていないという説明を受けた。購入はいつでもできるという事で、サンプルを貰った。カリカリのドライタイプと、半液状になったウェットタイプだった。

病院からの帰り、採血データがずっと気にかかった。ずっと腎不全を防ごうと水を飲ませてきたのに、もう腎不全の兆候が出るなんて。長生きできないかもしれない。不安だった。

家に帰って早速サンプルのドライタイプを出してみた。しかし、臭いを嗅いだだけで、皿の前を通り過ぎてしまった。今度はウェットタイプも出してみる。こちらは完食してくれたのでほっとする。

しかし、食べ飽きる心配はないのだろうか? そうなったら別の味はあるのか? 心配は尽きない。それに療法食は高価だ。いつまで療法食を続けるのだろうか? 腎機能が改善するまでか? しかし、人間の場合一度壊れた腎臓は戻らないはずだ。猫も似たようなものだろう。

ご飯代がこれから高くつくかも、いや、今回のクレアチニン値は、一時的な尿管閉塞によるものだから改善するかも……。そしたらこれまでのご飯に戻せるかも……。そんな食費の心配をしていた私は、本当におめでたい人間だった。