結局、家を買うことにして引っ越したのは、三か月半後、年度末の三月中旬を過ぎた頃だった。人が動く時期だからと思い、期限を切って売り急いでいる物件をスマホで検索していたら、手頃な物件が見つかったのだ。

それでさっそく見に行ってみたら、問題なさそうだったので住むことに決めた。

折しも然る人気ドラマが再放送されていたことで、佳奈美いわく、

「フリーターよりひどいよ。『ニート家を買う』だね」

「ほんまやなぁ」

大きめの荷物は紅帽に頼み、細かな荷物はレンタカーを借りて運んだ。そうして、ふたたび新たな生活が始まると、ほどなくして仕事も決まった。

また、この間に一度、神奈川に戻り、弁護士さんにも会いに行った。その際、携帯電話に保存されている証拠メールを先生のパソコンに入れようとして、うまくいかなかったため、携帯電話ごと預けることにした。

それで私は、もう一台、携帯電話を買うことになったのだが、電話番号やメールアドレスが変わると面倒なので、同じ通信会社のものにした。

併せて、あの夫の怒鳴り声を録音したデジタルカメラも、複数のSDカードとともに預けた。

 

「大人の恋愛ピックアップ記事」の次回更新は2月15日(日)、12時の予定です。

▶『夫 失格』連載を最初から読む
「お袋をいじめるのはやめろ!」デイサービスへの送り迎えさえしない夫に言われた。義母の介護はすべて私がやってるのに。

 

👉『夫 失格』連載記事一覧はこちら

▶『大人の恋愛ピックアップ』の人気記事はこちら
「誰、どうして」…壁一つ隔てた夫の部屋から、かすかに女性の声が聞こえた。もしかして今、隣の部屋で夫とあの人が…