その目の前を何かがヒラヒラと舞った。宛先のないただの封筒。

中には几帳面に折られた手紙があった。柔らかな字体、筆で書かれていた。

『この箱をお持ちの方へ。──この箱には人類の未来すら変えてしまうほどの大きな力があります。その使い方を間違えてはなりません──さらに、捨てたり、他の者へ渡したりは厳禁です』

「──なんだ。これ」

翔太は首を捻った。駐車場の街灯に照らされた封筒の表と裏を見つめた。

宛先のないただの封筒だ。気持ちを落ち着かせるために深く息を吸った。ゆっくりと息を吐くと同時に車内を見ると、シートやハンドル、ガラス面にうっすらと白く、霜が張り付いていた。

 

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