「お待ちしておりました」

その女性は英良に気が付き声を掛ける。

「はい」

英良は答えたが、変な声だった。

「始めまして。霧生美咲です」黒く大きな瞳が印象的だ

英良は黙って見ている。

「この踊りをご存じですか? どこかでご覧になったりしませんでしたか?」

美咲は訊いた。

「いいえ、ないですけど」まだ変な声だった。

「私は、バーレスクダンサーを職業にしています。昨日までニューヨークにいたのですよ。日本に来られることを楽しみにしていました。今度、札幌でショーが開催されるので、最初は北海道に来ています。今英良さんの近くにいるのですよ」

「バーレスクダンス? 私の近くに?」

英良は初めて聞いた。

「はい」

美咲は屈託なく笑みを浮かべた。