【前回記事を読む】「このホテルは妻も知らない、僕と君だけの秘密だ」とスイートルームに連れられ…あっさり絡めとられてしまう。奥さんへの優越感も…
裸を見せて
ようよう落ち着いたのかな、と思っていた。グループホームの玄関を開けて、ただいま、と私が言うと拓也さんが出てきて、お帰り、と言ってくれるかと思ったが、
「おっぱい触らせてくれよ」と言ったので私は持っていた食パンを落とした。
これだよ、これ、木の芽どきは要注意ってこれだよ。
「なに言ってるの、変態なの、なんなの」
「触りたいんだもん」
だもんじゃねえよ、と思いながら仕事をしていたので、お盆や色々なものを落としてしまった。
入浴のお手伝いの最中にがたん、と洗顔フォームが落ちたので「今日は色々な物が落ちる日ですね」と笑って誤魔化したが、大いに動揺した。
「切り絵の枠を切ってくれ」
と言われたので机に両手をついて、定規をあてたら、
「おう、今下チチねらい目だぜ」
と言ったので私は頭をはたいてしまった。
馬鹿もの、とも大声で言ったが、てんで平気らしい。利用者さんの頭をはたいたり、馬鹿と言ったのは人生初だ。
ぶんぶんと怒りながら帰って、また翌日グループホームの当番だった。