「うん、えぇよ。淳子さんはえぇ女性じゃけぇ、本川さんとはお似合いじゃ思うよ。その代り本川さん、僕の相談に乗ってぇや」

快諾した直後、今度は関沢の方が哀願口調でポツリポツリと語り始めた。

元はと言えば、関沢と石原智子とは小学校時代の同級生だったそうだ。彼女が広島女学園に進んで中学は別になったが、関沢と石原智子は一緒に遊んでいた。

そんな時、石原智子は決まって仲の良い亀崎理佳や池田淳子を連れて来た。そうするうちに徐々に関沢は亀崎理佳に惹かれていき、二人だけでも会うようになった。

そんな関係に気づいていながら、石原智子は依然として関沢に好意を寄せている。今も関沢は石原智子に対し未練を感じており、どうしたら良いか悩んでいる。

要約すればこれだけの内容を、関沢は酷い広島弁で時間を掛けて語った。

「成程ね。いわゆる三角関係か。で、俺は、お前がただ一人見向きもしなかった池田淳子に一目惚れって訳か。三角関係など知ったことか。とにかく池田淳子を紹介しろ!」

恭平は、一度会っただけの池田淳子の住所を聞き出し、呻吟(しんぎん)しながら手紙を書いた。

ここに一人の間の抜けた男がいる。

男は、決して強い男ではなく、むしろ寂しがり屋だ。

寂しがり屋の男は、一人でいることに耐えられず友を求め、男の周りには、やはり寂しがり屋の男たちが集まった。

男は、決して思慮深い人間ではなく、むしろ直情径行(ちょくじょうけいこう)な人間だ。

直情径行な男は、そのためにいつも性急な失敗を繰り返し、友に多くの笑いを提供してきた。

男は、決して勤勉な人間ではなく、むしろ怠け者だ。

怠け者の男は、何をするのも億劫に感じながら、ジッとしていることに耐えられず、常に忙しく動き回っている。

男は、決してペシミストではなく、むしろオプティミストだ。

オプティミストな男は、真のオプティミストこそが、真のロマンティストであり、実はセンティメンタリストであるというパラドックスを信じている。

 

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