【前回の記事を読む】社会主義の失敗…旧ソビエト連邦等で発展した「公平」を目指す“システム”には欠陥があった。それは、上に立つ者の権力が——
第1章 筆者の経歴
5 司法試験に合格し司法研修所を経て弁護士・弁理士へ
(1)司法研修所での経験
その後、30歳を過ぎてから本格的に司法試験受験のための法律の勉強を始め、相応の苦労を経て合格した。
合格者には、司法修習生として、司法研修所で2年間の法律実務の研修がなされ、終了後、裁判官、検察官、弁護士(以上を総称して法曹)に分かれる。筆者が入所した1980(昭和55)年は、同期は約500人であった。これが10クラスに分かれ、1クラスが50 人であった。
そして、驚くことに筆者のクラスで理科系の出身は筆者1人であった(同期500人中には理科系は数人いたようであるが。なお、筆者のクラスで、文学部出身者が1名いて他の48名はすべて法学部出身であった)。
筆者は、技術立国を国是とすべき我が国において、法曹にこんなに理科系の人間が少ないことで良いのかと思ったものである。
その後、司法制度改革の一つとして、司法試験受験の前段階の意味をもつ法科大学院制度が発足した。そして、法律既修と同未修の2つの課程(前者は2年間、後者は3年間)が設けられた。
これは、多様な経歴を持った人材を採用しようとの意図を有する。筆者には、先に述べた事態がどの程度改善されたかは不明である(なお、司法試験合格者は、2024年は1592人である)。また、実業側が、司法に関し、いわばブラックボックスのように任せておくならば、問題である。