「まさかMRIで殺人だなんて……」
羽牟は顎をさすりながら考え込んだ。他の者たちも鍬下の推理に唖然としていた。
「まあ、今のはあくまでも僕の推理に過ぎません。その二人を厳しく問い質せば真実が明らかになるでしょう。その二人には林を殺害する動機はない。おそらく犯人から金で依頼されたことを忠実に実行しただけで、それが殺害計画であったことにも当初は気づいていなかったんでしょう。
それではこの殺害計画を企てたのは一体誰でしょうか。もちろん犯人はその日に増田脳神経外科病院にMRIが搬入されることを知っていなくてはならない。この中でそれを確実に知っていたのは増田邦史郎さんと鍋本彩斗さんのお二人だ。
ひょっとしたら理事長の家族である沙織さんや千晶さんが知っていた可能性もあるが、作業員に直接指示できる立場にあるのはやはり邦史郎さんと鍋本さんだ。
先程の話だとお二人とも林が千晶さんに悪質なストーカー行為をしていたことを知っていた。この手のストーカーは警察が何度警告しても執拗に相手に復讐しようといつまでもつけ狙う。だからどちらかが、あるいはお二人が共謀して彼女を守るために彼を抹殺したと考えられなくもない」
「私がそんなことをするわけないだろ。患者の生命を守るための大事な医療機器を殺人の道具に使うなどもってのほかだ」
邦史郎が怒気を発しながら抗議した。続いて鍋本も言った。
「僕も同じです。第一そんなことをしたら周囲の金属片も飛んできてMRIにどんな故障が起こるか分からない。大事な商品に損害を与えるようなそんな馬鹿なことできるはずがない」
「『超能力探偵 河原賽子』総集編ピックアップ」の次回更新は2月24日(火)、20時の予定です。
『超能力探偵 河原賽子』待望の第3章が、2月27日(金)からスタート!
▶この話の続きを読む
「まさか自分が殺人に加担していたとは」…警察の誘導で運搬ルートを変更し、被害者宅の前で“ある指示”に従っただけだった…
第1章の連載はこちらから👇
「実力不足」と家庭教師をクビになった日、道で男とぶつかって眼鏡を破損。さらに顔に飛んできた紙には、信じられない悪口が…
第2章の連載はこちらから👇
『みんな死んじゃうから次の飛行機で行きたい』…搭乗を拒む娘を両親は無理矢理乗せた。すると、離陸して数時間で……