【前回の記事を読む】誰もあなたの筋肉を見ていないし、仕事で有利にもならない――だが鍛えていない人と比べたら……

第8章

8-7.筋肉は1つの希少性属性

一つの分野の圧倒的なスペシャリストになるのは、現代では難しい。様々な分野において、日本だけでなく世界と競い合い、そこで順位付けされる。

一つの分野だけでは、勝者になることは難しい。しかし、別の属性を加える。二つの分野を掛け持つ。これらが達成できれば、希少性が生まれる。あなたにしかできない役割や立場が、獲得できる可能性が生まれる。

たとえばIT技術者だって、ITに詳しいだけでなく、経理や通信など、それぞれの分野に分かれて活躍している。IT+専門分野、なのである。

つまり、その仕事における専門的な知識、実践での経験が必要だ。さらに仕事の内容によって、周囲とのコミュニケーション能力、接客業なら生まれ持った容姿と清潔感が必須となる。これらの求められる最低限をクリアした上で初めて、筋肉のプラス効果が発生する。

その場合、過剰な筋肉は必要ない。週5回筋トレの実践なんて、仕事においては全く求められていない。週2回、計2時間の筋トレだけで十分過ぎる。

これだけでも、服の上から「鍛えているな」「何だかいい身体」と感じさせることはできる。こんな些細なとも言える印象を与えるだけでも、実は十分過ぎる効果が生まれる。

何となく健康そう、これだけでも有利な属性となる。

メラビアンの法則では、コミュニケーションを図る際、「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」という割合で影響を与えているとされる。人は見た目が9割とはよくいったものだ。

まず大前提として、清潔感やTPOに合わせた服装が必要だ。その上で、「筋肉がある」「逆三角形の上半身でしまったウエストがある」と、それは確実にプラスの印象となる。

太っている人は採用されにくい、出世しにくい。これはもちろんだ。しかし、そもそもその仕事ができる知識や事務能力がなければ、いくら健康そうな印象があっても採用されない。

最低限の水準を満たしてこそ、いや平均以上の成果を上げて初めて、筋肉のメリットが表れてくる。これを心に留めておいて欲しい。

肉体の素質とは別に、地頭の良さ、要領の良さ、物事の理解能力、これらは筋トレの成果に大きく関係する。仕事ができる人は 筋トレで、すぐに大きな成果を獲得できる可能性が非常に高い。では筋肉がある人が、仕事ができるか?と問われれば、その答えは「違う」となる。

むしろ私も含めて、筋肉に囚われて一般的に健全とされる社会生活が送れていない人は数多くいる。拠り所である筋肉、これを周囲に認めてもらうには? 少なくとも無下に、けなされないためには何をすべきか?

その答えは「仕事ができるようになる」。これしかない。一定以上の成果を上げ、周囲から認められて初めて、周りはあなたの筋肉という希少属性に好意を持ってくれるのだ。