【前回記事を読む】日本で個人投資家が増えない理由…銘柄選好やイベントに関する情報は多くある一方で、不足する情報とは
第3章 タイプ別・機関投資家の思考法
日本で個人投資家の参加率が増えない理由
理由③決算発表後の株価変動に対する正しい投資アクションを知らない
また、ヘッジファンドは、当該決算期に好業績が期待される場合や、新製品の発表を控えている場合にはロングポジションで、逆に業績悪化が予想される場合は、ショートポジションで発表を待ちます。
個人投資家でも、企業分析の知識をつけることで、業績モメンタム(勢い)が強いのか弱いのかを判断することは可能でしょう。
しかし、株価は市場コンセンサスに対して、高いか低いかで変動するので、業績モメンタムの見方が正しくても、株価に織り込まれたコンセンサスの業績水準をある程度理解していなければ、決算発表後の株価の反応が期待したものとは異なります。
さらに、株価は瞬時にコンセンサスとのギャップを埋めてくるので、個人が寄り付きの反応を見て売買注文を出しても、既に株価が大きく動いてしまった後のケースがほとんどです。
私が推奨したいのは、数週間か数か月の短中期トレードの場合、決算発表直前に新規に買いや売りのポジションを持つのはやめたほうがよいということです。
バイアンドホールドの長期投資であれば、ネガティブサプライズで株価が下落した際に、買うかどうかを検討することをお勧めします。
あえて「買うかどうかを検討する」と言ったのは、例えば、当該四半期決算のコンセンサスへの未達が、一時要因のものではなく、構造的なものと考えられる場合、決算直後の株価下落後も、継続的に水準を切り下げていく可能性が高いためです。
また、第1四半期にコンセンサスを若干下回る業績だったものの、会社側が年度計画を変更しないケースも少なくありません。
この場合、第2四半期決算発表時に年度計画が下方修正されるリスクを機関投資家は懸念するので、株価下落後も強い買いが入りにくく、株価は上昇しにくいのです。
逆に、第1四半期で市場コンセンサスを上回る好決算を発表したにもかかわらず、会社が年度計画を据え置いた場合は、第2四半期以降に年度計画が上方修正される可能性が高いので、第1四半期決算後に株価が上昇した後、少し株価上昇率が落ち着くのを待ってエントリーするのは正解だと思います。
実際私のアナリスト経験を振り返ってみて、第1四半期の業績が会社計画ペースを上回って進捗した企業は多くの場合、第2四半期以降も同様の傾向を継続させていました。