【前回記事を読む】子どものなぐり描きを見たとき、親がやってはいけないこととは? 「これイチゴ」と子どもが点や線に意味付けしたときは…
1. 子どもの描画の発達段階
前図式期の段階(2歳半~4歳半頃)
①「閉じた円」と「直線」の出現が端緒(たんしょ)
「図式」とは、「物の関係を説明するために考案された図」のことです。人間の図式ならば、顔と胴体、手や足などの身体の基本的な要素が描かれていることです。
「前図式」は、図式の基本的な要素が描けていない、それ以前の形を意味します。
前図式の始まりは、閉じた丸と、始点と終点が明確に描けている直線の出現に見られます(図5)。
丸の始点と終点がつながらなければ、丸は成立しません。さらに、丸が描けるためには、丸を描く前に丸というイメージが先行しなければなりません。
なぐり描きから発達した前図式期の特徴は、絵を描く前に、絵のイメージが先行することが可能になったということです。そして直線が描けるようになることにより、四角形も描けるようになります。ただ、まだ三角形は描けません。
(図5)「閉じた丸と直線」
②「頭足人」や「つもり表現」が見られます
丸と直線だけだったところに、やがて、閉じた丸と直線で、頭足人が描かれます(図6)。
(図6)「頭足人」
これは、最初の頃は、丸の中に小さな丸を2つ3つほど描いて、「お顔」と言っていたものに、手と足が2本ずつと頭の毛が描かれて、人の姿になります。目は、丸の場合と図6のように半円の場合があります。胴や首は、まだ描けません。ここでも、誰かが見本を描く必要はありません。
人の顔だと思ったところ、違うこともあります。図7は、2歳5か月の女の子が絵を描いているときに、おばあさんが、「これ、だあれ」と聞いたところ、「アンパンマン」と答えたそうです。
(図7)「アンパンマン」