セメントは,JISR5210(ポルトランドセメント)に適合したものを使用する.
練混ぜ水は,上水道水を標準とし,上水道水以外の水を使用する場合は,JIAA5308(レディーミクストコンクリート;付属書C)に規定される品質に適合する水を使用する.
混和剤は,PCグラウトの体積変化がほとんどなく,ブリージング水の発生を抑制できる「ノンブリージング型」を使用する.
定着具や緊張ジャッキを取り付けるためにコンクリート表面に設けた切欠きなどの跡埋めに使用する材料は,構造物本体と同等のコンクリートを使用する.
特に,定着具は,コンクリート構造物表面から切欠きを設けた深い位置にあり,定着具のかぶり確保のため,この切欠きは,PCグラウト注入後に適切な材料で跡埋めする必要がある.
グラウトホースが残置される場合のグラウトホースの跡埋め材としては,断面修復用モルタルを使用する.
切欠きに水分を包含した劣化因子が作用する場合にあっては,跡埋め材に防水材を添加するなどの対策が必要になる.
さらに,跡埋めしたコンクリート表面をエポキシ樹脂などで被膜し,防水効果を向上させることも有効である.
また,PCグラウトを注入する際,注入口や排出口に装着する器具には,グラウトホースとグラウトキャップがある.
グラウトホースは,通常,PCグラウトの注入口,排出口に取り付けられる.材質は,ポリ塩化ビニル製で補強繊維にポリエステル繊維を使用しているものが普及している.
テトロンブレードホース(半透明)は,内部のPCグラウトの状態が確認できる.
グラウトホースに要求される性能は,注入圧が高圧にならないよう適当な径を有し,容易に角折れしにくく,コンクリート打設時の衝撃やPCグラウトの注入圧に耐える十分な強度が必要となる.
グラウトキャップは,通常,定着具を被覆するように取り付けられ,PCグラウトが定着具の隙間から噴出するのを防止する.
近年,グラウトホースの装着を容易にした製品が普及している.グラウトキャップに要求される性能としては,空気が残留しない構造で,PCグラウトの注入・排気が確実にでき,注入圧力に耐え,定着具と一体化して気密性を保持できるものなどがあげられる.
写真-2.3.1にグラウトホース,写真-2.3.2にグラウトキャップの例を示す.