アナリストカバレッジの多い会社への投資のすすめ

バイサイドからセルサイドに転向するアナリストは滅多にいないので、シニアアナリストとよばれる各証券会社の主力アナリストはセルサイド一筋10年以上の経験を持つベテランが大部分を占めています。

私は、競争相手だった同業他社のアナリストたちの日々の努力に敬意を持っています。IR(投資家向け広報)取材や会社説明にとどまらず、経営陣とのスモールミーティングや国内外の同業他社分析等、彼らは真剣に担当企業の価値と向き合います。

その結果導いた投資レーティングや目標株価は個人名で投資家に配信されます。つまり、リスクをとってレポートを発行しているのです。

機関投資家は、夜中に発行されるセルサイドアナリストのレポートの配信を待ち、翌日の寄り付き(前場と後場の最初に値がついた取引)前までに、ポジションを決め、証券会社に売買の発注を行います。

突発的なニュースが発表された場合、午後3時半から5時の発表が多いのですが、セルサイドは発表文の解読、会社への問い合わせ、投資戦略の決定、レポートの執筆、発行後のニューヨークデスクへの電話などを行い、翌朝の7時過ぎに行われる社内営業マンに対する説明のための会議出席などがある日は、寝る時間はせいぜい3~4時間です。

ジュニアアナリストがそんな上司の姿を見ていて、辞めたくなる気持ちもわかるような気がします。ただし、こうしたセルサイドアナリストの存在により、企業業績やニュースが株価に正しく反映されていくのです。

ある時は、株式市場の声を代弁し、ある時は、企業の経営者の思いを市場に伝えます。私は、個人投資家の皆さんにはできるだけアナリストカバレッジのある企業に投資してもらいたいと考えます。