第1章 パーキンソン病の基礎知識
進行期のパーキンソン病の治療法
従来の治療薬(飲み薬や貼り薬)では十分な効果が得られず、ウェアリングオフやオンオフ、ジスキネジアなどの運動合併症状が現れ、日常生活に支障を来したときの治療法が、近年開発されています。
運動合併症メカニズムから予防・治療を考慮すると、持続的ドパミン刺激が有効と考えられます。デバイス補助療法(Device Aided Therapy=DAT)はそれぞれの患者様に最適な量の薬剤を、24時間切れ目なく投与する方法です。また適応を十分考慮のうえ、外科的治療を行うという選択肢もあります。
持続皮下注療法(デバイス補助療法の一つ)は、カニューレと呼ばれる細い管を皮膚に留置して、L-ドパをチューブからポンプで皮下に24時間持続的に投与する治療法です。
経腸療法(デバイス補助療法の一つ)は、L-ドパ製剤を、専用ポンプとチューブを使って薬剤の吸収部位である小腸に直接持続的に送り届ける治療法です。投与は起きている時間に行います。
脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation=DBS)もデバイス補助療法の一つです。DBSは、脳の特定の部位に刺激リードを埋め込み、前胸部の皮膚の下に刺激装置(パルス発生器)を埋め込んで、リードをつなげて電気刺激を与えます。DBS では電気の高頻度刺激を行い、対象とする神経核の細胞活動を抑制してパーキンソン病の症状を改善します。
MRガイド下集束超音波療法(Magnetic Resonance-Guided Focused Ultrasound=MRgFUS)は、外科療法の一つです。脳内の振戦の原因となっている部位に約1000本の超音波を一点に集束し当てることで、温度を上げて患部を熱凝固させます。
皮膚切開をせず、メスを使わない手術で侵襲性が低いことが特徴です。