【前回の記事を読む】それでも諦められない夢があった――。高校時代は野球部で補欠。体罰、いじめは当たり前で指導者からは無視をされたが…

第1章 『夢』を読む

夢の叶え方

入部をして間もない頃、いつものように監督さんに挨拶をして帰ろうとすると、不意に、「大学を卒業したらどうなりたい?」と私に監督さんが尋ねてきた。私は、「プロ野球選手になりたいです」と即答した。

野球部に入部したばかりの一年坊主の私にそんな質問をしてきた驚きと、「プロ野球選手」という待望の言葉を発する機会をもらえたことに嬉しく思い胸が高鳴った。

すると監督さんは「それならジムに行って体を大きくしなさい」と具体的でシンプルなアドバイスを与えてくれた。私はそのアドバイスを即実行に移し、その日にジムを探し契約の手続きをした。

私の語る「夢」に返事がもらえたことが心から嬉しかった。さらに言えばそれほど飢えていたのであった。

そしてその4年後、私は小さい頃に夢見た「プロ野球選手」になった。

ここまでを生徒の前で話をして、私が伝えたかったこと。

それは、まず夢や目標を持つこと。そして、その夢や目標を声に出して語ること。今がどれだけ辛くても。うまくいかなくても。人に笑われても。自分の人生は自分だけのもの。必ず自分を信じてあげること。

ここまでを伝えた後、私は最初に「夢がある人はいますか?」という問いかけに声高らかに不思議な夢を語った生徒に向けて話した。

君は先程みんなに笑われながらも自身の夢を語った。だからここに居るみんなは君の夢を知った。君の夢に興味を持った。生徒もそう、先生もそう。私を含めここにいる人間は全員、君の夢を知った。

何人かは家に帰って君の夢のことを思い出して調べるかもしれない。私に応えてくれた大学の監督さんのように、もしかするとアドバイスやヒントをくれる人間が君のもとにも突然現れるかもしれない。周囲が君の夢を知らなければそんなチャンスすら訪れない。勇気を持って声に出して夢を伝えた結果、君は夢に少し近づいたと思う。

私は素敵な夢を持つ君のことをこれからも応援している。

自分が持つ夢に自分が嘘をついてはいけない。自分が持つ夢は自分だけのもの。

自分で大切に守るものである。