【前回の記事を読む】過去の戦争で国民と息子、お妃を亡くした王さま。だからこそ求める〝世界一強いもの〟と、もう一つの理由

四.王さまの考え

そこで、王さまが思いついたのは、まずは三人の王子と二人の王女に〝世界一強いもの〟を探し出させることでした。

五人が世界中を旅して世界一強いものを探し出してくる。帰国したら、五人全員が宮殿の大広間に集まり、王さまの前で自分が世界一強いと考えたものについて話をする。

その中で、王さまと、三人の王子と二人の王女とが全員で一番強いものと認めたものを探し出してきた者を、後継者に指名する。

王さまは、このような段取りを考えたのでした。

この国を治める者の証には、金色の大きなメダルが必要です。王さまが、いつも首からかけている、あのメダルです。メダルの表には、国王の自分の名前が大きく刻まれています。裏側には、祖国ユートピリッツ王国の美しい風景が細かく彫られています。

後継者に指名された者には、金色の大きなメダルが王さまから渡されます。

王さまは、三人の王子と二人の王女の誰が後継者に指名されてもいいように、全員分のメダルを作っておくよう家来に命じました。

やがて年が明け、しばらくすると五つの金色の大きなメダルができあがり、王さまのもとに届けられました。五つのメダルは、それぞれが蓋(ふた)のある立派な箱に納められ、さらにそれら五つの箱は大きな箱の中に置かれています。

王さまは、その大きな箱の中から、メダルの納められた立派な箱を五つ取り出しました。そして、蓋を一つ開けてはメダルを手に取り、刻まれた王子や王女たちの名前に間違いはないか、祖国ユートピリッツ王国の風景は美しく彫られているかなど、目を凝らしてその出来栄えを何回も何回も念入りに確かめて、それで納得するとやっと蓋を閉じるのでした。