故に、脳天から抜いた太刀で、彼女の喉元に止めを刺した。母親と変わらぬ背丈ではあったが、ウリ坊共は、喉から血飛沫を上げ絶命した母の様を見たせいか? 踵を返して大慌てで、山へ逃げ込んで行った。
太刀は、脳天に、切っ先が突き刺さった際に踏ん張りの利いた体と手首でしっかり固定され、水掫を打った際に、咄嗟に太刀の持つ手(柄)を緩めたおかげで、猪の口元から頭蓋の中で、目釘も影響を得ず、太刀が、頭蓋内で回らなかった事もあり、猪の牙をもろともせずに、刃毀れも無く、刀身は、曲がりもしていなかった。
マムシは、忠賢の太刀を設えも含め全て鍛え直していた。その事も証明された。
しかし、忠賢自身は、狩衣に雌猪に止めを刺す際に、返り血を浴び、狩衣以外にも、顔面は、血塗れになっていた。また踏ん張った際に履物の紐も切れていた。その様を見て百足は、裾を縛っていた縄を解き、靴の修繕に充てようと考え、川の水を含ませた、絞った自身の腰布(前掛け)で忠賢の顔面の血糊は拭き取ったが、絹で出来た狩衣に付いた血糊は如何ともし難かった。
仕方なく、湧き出す湯で、体や衣類を洗おうとしたが、湯の温度は、とてもその様な事を許す温度ではなかったので、元々砂鉄を取ろうと設えていた、川の水が引き込まれる窪みを河原に拵えていたので、そこに予め、用意していた道具で、湯を引き込み、温(ぬる)めの湯船を設え直した。
この作業自体は、たいした手間ではなかったが、作業の為、彼女は、久しぶりに忠賢の前で、小袖の上半身を少し開(はだ)けてしまった。
これが全てであった。
猪の血飛沫が所々に付いた狩衣を指示されるが儘に脱ぎ、下に着ていた単(ひとえ)の襟元の付いた血飛沫を洗い流すために、百足に単も渡し、裸に近い姿で、彼女が設えていた湯船に近づこうとしていた。
しかし、自らの衣を脱がす際、上から覗いた、彼女の胸元は、忠賢の脳裏から離れる事は無かった。忠賢は、周囲に誰も居ない事もあって、白昼堂々、あられもない姿で佇む百足を襲った。
腰布を外し絞って、狩衣の血飛沫を拭おうとしていたので、彼女は下着一枚に近い小袖姿。故に裾を荒々しくたくし上げられると、彼女の下半身を含め彼女自身、全てが無防備になった。しかし、 百足も、その行為自体に、何ら抵抗もなく、忠賢を何故か受け入れていた。
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