【前回の記事を読む】「私が手を掛けて、一からとなると、最低半年か一年は――」だが、良質の玉鋼が入手出来なければ不可能であった高明親子は、藤原北家の荘園を後にして、七日後、赴任地の大宰府に到着した。勿論一行の中に、マムシ親子がいた事は言うまでもなかった。道中、彼等は、マムシに対し、彼が受けた、敵の武器に関する見解を多角的に質した。結果、敵の持つ大太刀は、鍛えたモノでは無く、鋳込んだ金属に刃を付けた…
[連載]克己
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小説『克己』【第5回】河﨑 浩
大宰府に迫る海賊の脅威……都が知らなかった“防衛最前線”とは?
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小説『克己』【第4回】河﨑 浩
「私が手を掛けて、一からとなると、最低半年か一年は――」だが、良質の玉鋼が入手出来なければ不可能であった
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小説『克己』【第3回】河﨑 浩
戦闘で折れた敵の大刀を妻の包丁にするため、刀工へ研いでもらうよう頼む。作業場にいたのは美しい娘とその父であった。
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小説『克己』【第2回】河﨑 浩
〝粗末な〟刀にしか見えないが、触った瞬間、忠賢は、マムシと呼ばれていた男の顔を〝まじまじ〟と眺めた。「血を吸うて、おるな?」
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小説『克己』【新連載】河﨑 浩
隠岐へ流罪になった藤原千晴を監視せよ、との依頼。だが彼は、平将門の乱で名を馳せ、束になっても返り討ちに遭うこと確定の腕前で…