決定的な事件は、私が小学六年生の時に起こった。
私には、ノンコ(Oさん、仮ニックネーム)というとても仲の良い友だちがいた。ノンコ、ルン(私のこと、仮ニックネーム)というお互いのニックネームでいつも呼び合っていた。
私は小学二年生の三学期に転校してきたのだが、ノンコはその少し後の三年生の一学期に転校してきた。お互いの家も同じ住宅地の中にあって、比較的近かったこともあり、私たち二人はすぐに仲良しになった。
私は引っ込み思案で、外ではおとなしかったのだが、ノンコはそんな私とは対照的で、とても活発な女の子だった。性格が全く違うのにもかかわらず、なぜかとても気が合って、いつも二人で遊んでいた。
私は二月生まれだが、ノンコは私より少しお姉さんの五月生まれ。
そのせいだけではないと思うが、私は彼女から教わることが多かった。私よりたくさん本を読んでいて、自分が読んで面白かったという本を貸してくれたり、本にこんなことが書いてあったとか、いろいろ教えてくれたりした。そして、自分が思ったことを何でもはっきり言える女の子だった。
前の小学校では、友だちらしい友だちはいなかったので、私にとっては、生まれて初めてできた親友だった。
私は絵を描くことが好きで、小三の時から同じ住宅地の中にある絵画教室に通っていたが、ノンコも小四から、その教室に通うようになり、毎週日曜日には、いつも一緒に絵を描いていた。
高学年になると、絵の先生が、私たち二人が共同で描くようにと、畳一枚分くらいの長方形の大きな板を用意してくれて、一緒に一つの大きな作品に取り組んだこともあった。
二人でああだこうだと言いながら描いていたことをよく覚えている。