【前回の記事を読む】つまづきがちな"分数の割り算"。「なるほど~、あったまいい!」と子どもたちが一様に納得した先生の教え方とは?

第一章 高学年の子たちと~分数から命の授業まで~

3. 逆数とは? 友だちとは?「深く理解したい子どもたち」

⑤ 子どもたち自身はどう感じたのでしょう

高学年になると、学習塾に行っている子も増えてきて教師がやりにくい授業があります。そこで教師は、学習塾では習わないようなアプローチで、全ての子が問題意識を持って取り組むことができるようにしなければなりません。

学習塾と同じようなことをしていては「ボク、それは知っているよ」と言って真剣に授業に取り組まなくなることが考えられます。

また知っている子の中には、知っていることを隠して知らないふりをして教師に合わせてくれる子もいます。しかしこれではその子がこの授業で今よりも伸びることができません。だから授業は、知っている子がいるのを承知のうえでその上を行く授業を工夫しなければなりません。いつも以上に子どもとの勝負が必要になるのです。

⑥ 友だちの悪いところを書いて手紙にする
 『ありがとうの手紙』

卒業を1カ月ほど後に控えたある日に、

「いつもは学習日記を先生に提出していたけど、友だち同士で書くというのはどうかな」

と投げかけました。『友だちへの手紙』という形で交換し合うという実践をしている例もときどき耳にしていました。

そこで、

「互いに手紙を出し合うというのはどうかな? 例えば『君はこういうところがいいからこれからも続けたらいいよ』などと書いて……」

と聞いてみたのです。

「中学校もバラバラになっちゃうから今感じていることを書いてもらうというのはいいね」

という意見でまとまりそうになったその時、

「いいところなんか書いてもらってもしょうがないんじゃないの。いつも、帰りの会や授業の発表のときに友だちから聞いているから自分でもだいたい分かるよ。それよりも悪いところを書いてもらった方が自分のためになると思うから、それを書いて渡すというのならやってもいい」

と言う子が出てきました。彼は、

「だってもう別れちゃうんだから、今のうちに聞いておいた方がいいと思うんだよね」

と平然と言っています。私は気になって、

「でも書かれたらいい気持ちがしないんじゃないの。よくも書いたなと思って仲が悪くなるかもしれないし」

と続けました。すると別の子が、