これは、膨大な人数の遺伝子情報を分析し、特定の疾患と関連がある遺伝子の変異(遺伝子多型)を特定したものです。

つまり、疾患を持つ人々と持たない人々の遺伝子を比較し、特定の遺伝子領域における変異が疾患の発症にどのように関与しているかを明らかにしています。

例えば、特定の遺伝子変異が心臓病や糖尿病、アルツハイマー病などの疾患に多く見られる場合、その遺伝子変異は疾患のリスク要因と考えられます。

このようにGWASにより特定された遺伝的リスク因子は、予防策の開発や新しい治療法のターゲットとしての利用が期待されます。また、個々人の遺伝的リスクを事前に把握することで、個々の遺伝的特性に基づいた予防や治療が可能になります。

GWASはこれらの発見を通じて、より効果的な医療の提供に貢献する重要なツールとなっています[参考文献4]

ただ、問題がないわけではありません。GWASは特定の人種や民族集団に偏って行われがちです。その結果、得られる情報が全人種や全民族に適用可能であるとは限らず、特定の集団に対してのみ有効な結果となることがあります。

また、GWASは遺伝的要因に焦点を当てていますが、多くの疾患は遺伝だけでなく環境要因や腸内細菌によっても大きく影響されるので、遺伝子だけを見ていると、環境やその他の要因の影響を見落とすリスクがあります。

このように、GWASは遺伝子変異と疾患の間に関連があることを示すことができますが、その関連が因果関係であるかどうかを直接的に証明することはできません。

ある遺伝子変異が疾患の原因であるのか、もしくは、単にマーカー(直接関連はないが連動している指標)として機能しているかを区別するのは困難です。

したがって、GWAS検査を受けても結果の解釈によっては必要以上に不安になる可能性もあります。一方で、日常生活の過ごし方において参考になる場合もあります。

例えば、お酒を飲むと顔が赤くなる体質はGWASの結果でも反映されます。

「やっぱりそうか」と納得することでしょう。それによってお酒の量を減らせば、検査の価値があるかもしれません。

以上、リスク評価の検査を紹介してきましたが、中には自宅でもできる検査があります。検査料も年々下がっているため、投資を検討してはいかがでしょうか。