プロローグ

2020年10月で60歳になった。還暦。定年退職。

ありがたいことに、その後も仕事を得て、活動の場を広げ、新しい習い事も始め、文章を綴り、日々わくわくしながら過ごしている。

定年退職後は派遣会社に登録してフルタイムの仕事に就いた。思わぬ声かけで、その合間に障がい者グループホームの夜勤に入ることになった。プライベートの時間は、町で「おとなの楽校」と名づけた学びと交流の会を主催し、年数回「ペシャワール会」(故・中村哲医師の活動を支えるNGO)のお手伝いに行く。

さらに2023年夏から新しい習い事を始め、秋から地域の高齢者の介護予防の会「ゆうゆうサロン」の運営の手伝いに関わることになった。そしていろいろな仲間との集まりの幹事や劇団四季の舞台鑑賞。現役で働いていた時以上の忙しさ。

大学時代から、新聞の読者投稿欄に文章を寄せている。没になることが多いが、採用されることもある。400字から580字。一つの投稿欄で1ヵ月に複数回は掲載してくれないので、あちこちの新聞社に投稿する。ここ数年は、毎月どこかの紙面に載ることを目標としている。

そして自費出版は大学時代からのライフワーク。

日常生活の折々に感じたことや考えたこと、ちょっと面白い体験、忘れたくない出来事、そんなことを綴っている。

60歳を過ぎ、社会の第一線を退いても、それなりに居場所があり人生楽しめるものだと実感している。

生まれた時からずっと同じ町に住んでいる。パートナーとは出会えず独り身。私が36歳の時に父は病で急死。入退院をくり返し最後は施設に入所した母を5年間看て、56歳の時に見送った。子としての務めも果たし、会社勤めをいったん終えた、自由気ままな60代。

そんな私の「伝えたい」「表現したい」という思いを垣間見ていただけるとありがたい。

第1章 定年退職とその後の仕事

1.定年退職

2020年10月還暦を迎えた。私がいた会社は誕生月の末日が定年退職日。10月31日、34年と6ヵ月勤めた会社を退職した。

夏季休暇や有給休暇を使い、実際には8月11日が出社最終日だった。新型コロナウイルスが猛威をふるった年。最後のほうは在宅勤務が多かった。