よく一緒に遊んでいたのは男の子ばかりだったな。でも本が好きで、一人でいる時はよく絵本の世界に入り込んでいたっけ。図鑑を広げては集中して、色んなことに興味津々。今思い返せば、この頃から想像力豊かで感受性が強かったみたい。

先生のオルガンに合わせて『大きな古時計』や『バラが咲いた』をみんなで歌っている途中、感動して涙がポロポロ……なんてこともあったの。その影響なのかな? アニメやドラマ、テレビ放送の映画を観るのも大好き。

映画もさることながら、番組のテーマ曲のトランペットの音色や、三角眉が印象的な淀川長治さんの「さよなら、さよなら、さよなら」までしっかり観てたなぁ。お父さん、お母さん、おばあちゃん、そして弟。この頃の私はなんのストレスも感じることなく、伸び伸びと自由に楽しく過ごしていたんだよ。

そんな自分に変化を感じ始めたのは、小学3年生の頃。胸が膨らみ始めたりと身体の変化に気が付き、自分は女の子だということを意識し始めるとね。途端に男の子の存在も意識してしまい……、恥ずかしさに襲われたの。

それまで授業中に手を挙げて発表したり、人前で話すことに抵抗は感じなかったのに。すっかり、大人しくなってしまったんだ。

そして始まってしまった吃音。少なからず周りにいないかな? 最初の言葉を連発したり、引き延ばしたり。私は最初の言葉がなかなか出てこなくて。(言わなきゃ……)って話そうとすればするほど詰まるの。

頭の中に言葉は浮かんでいるのにね。大人になった今も、スムーズにはいかなくて。特に“あ行”はスッと出てこないんだ。「おはよう」「お疲れさま」「ありがとう」……人よりワンテンポ遅いと思う。

意識して構えちゃうから、余計にそうなるのかもしれないんだけどね。そこで身についたのが、最初に笑顔を向けること。目を合わせて笑って息を吸うと、落ち着いて言葉も出やすくなるんだ。

 

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