【前回記事を読む】老人ホームを病院と勘違いしている入居者…毎晩大声で呼んでくるのに、今日は声が聞こえて来ない。心配になり部屋へ入ると…

第1章 利用者さんとずっと一緒

コラム①施設のスタッフ

介護施設では、どのような人が働いているか、簡単に説明します。

医師

介護老人保健施設(老健)、介護医療院・介護療養型医療施設以外では、常勤の医師を配置する必要はありません。介護施設で働く医師は、ほとんど非常勤の配置医師あるいは嘱託医といった契約医師です。一般的に勤務医や開業医と嘱託契約をしており、その医師が月1、2回の診察と薬の処方などを行っています。

本書に登場する『日向ぼっこ』は医療法人が経営している小規模多機能施設という設定ですので、医療法人の医師が毎週定期的に診察を行い、体調が悪化した時にはいつでも駆けつけられるようにしています。

看護師(准看護師を含む)

特養、老健、有料老人ホーム等では、看護師の配置が義務づけられています。小規模多機能では看護師は非常勤でもよく、労働時間数の決まりはありません。『日向ぼっこ』では、医療法人が経営しているので、看護師一人、准看護師一人を常勤で配置し、手厚い看護を行っています。

看護師の配置基準は少しわかりにくいですが、常勤換算という方法がとられています。一日8時間働けば常勤が一人配置されている、とみなされます。

常勤看護師が一人で8時間働いても、非常勤の看護師が三人合計8時間働いても同じという意味です。ほとんどの施設で看護師の夜勤はありません。医師の指示で健康管理、配薬、処置、点滴などを行います。

介護スタッフ(介護福祉士、ヘルパーなど)

介護の仕事をするための資格には、ヘルパー1級・2級、初任者研修修了者、実務者研修修了者、介護福祉士などの種類があります。介護福祉士は国家資格です。

ヘルパーの資格は、非常に複雑でわかりにくくなっています。厚労省は最終的には、介護福祉士の資格がなければ、介護の仕事に従事できないようにしたいと考えています。

しかし現在のヘルパー不足の状況では、絵に描いた餅でしかありません。利用者さんの家事、食事、身体介助など介護施設の中核となって働いています。

ケアマネージャー

主に医療や介護で5年以上働いてきた人に受験資格があります。都道府県の試験に合格した人に資格が与えられます。現在ケアマネージャーとして働いている人の多くは、介護福祉士などの経歴があります。

ケアプランの作成、アセスメント、モニタリング、給付管理などが主な仕事です。難解な言葉が並びますが、要するに介護計画を立て、介護現場にその計画を実行させ、計画通り介護が提供されているか確認する役目です。利用者自らケアプランを作る事はできますが、現在はほとんどケアマネージャーが作成しています。

施設長(管理者)

施設長はその介護施設の責任者です。施設全体の業務を取り仕切っています。施設長が経営者の時は、人事や経理、収入支出などの管理も行います。施設長の力量でその施設が発展するか衰退するか決まる、と言っても過言ではありません。

その他の職員

介護や経理の事務、キッチン担当、送迎担当、お掃除担当等の職員がいます。これらの従業員に介護の資格はいりません。