自分の手を見ると真っ黒! でも、それが楽しくて僕もLisaと一緒に笑い出した。Lisaは優しくて、真っ黒になった僕の手を責めることはなく種蒔きを一緒に手伝ってくれた。
「それじゃ種をこの中にそっと置いて。そうよ。次は今掘った土を優しく被せて。上手ね、Marlon。それじゃDatからお水を貰ってきて。たっぷりお水をあげましょう。ゆっくりで大丈夫よ。急がないで。そうそう、上手上手。それじゃ手を洗いましょう。ちゃんと洗えた? あら、爪の中が真っ黒! ブラシで洗いましょう。ほら、綺麗になった」
僕はLisaとの、この時間がいつまでも続くと思っていた。その時だ。
「Lisa! 大丈夫?」
Lisaが突然しゃがみ込んだ。祖母が慌てて駆け寄って来てLisaを抱き起した。
「Lisa、どうしたの? どこか打った?」
「めまいがして。心配させてごめんなさい」
Lisaは祖母に抱かれるようにして部屋へ行き、ベッドで横になった。具合が悪い筈なのにLisaは僕に優しく微笑んでいた。祖母が居間へ行くと、僕はLisaと二人きりになった。
「Marlon、心配しないでね。さっき薬を飲んだからもう大丈夫よ」
「Lisa……、どこが痛いの? 僕が手をちゃんと洗わなかったから?」
「Marlonのせいじゃないわ。もうどこも痛くないから大丈夫。それよりも、Marlonが花を植えるお手伝いをしてくれたからDatが喜んでくれたわね。これからたくさん庭に花が咲くのよ。楽しみにしましょう」
Lisaが少し元気になってお話をしてくれた。僕は嬉しくなってずっとLisaに話し掛けた。
「本当だね。僕の家の庭にもたくさん花を植えてあるんだ。元気になったら見に来て。Lisaはヒマワリが好きなの? ヒマワリの種は鳥や動物の餌にもなるって知ってる? 僕、学校の本で調べたことあるんだ。それからヒマワリの花はいつも太陽に向かって動くんだ。僕、ヒマワリを好きになる。そしたらLisaと一緒だね」