「もしかして……笹野って実はスポーツ特待生だったり?」

「ふっ、とうとうばれちまったか……」

「ってことは一般か」

「なんでだよ! まあ実際そうなんだけど、月峰のサッカー部は弱小だし」

どれだけ上手く隠そうとしても、感情や雰囲気などが人より敏感な夜深には、噓か本当かくらい容易にわかってしまうのだから仕方がない。そうじゃなくても今の涼の反応は明らかにおふざけのサインが出ていたので誰でもわかっただろう。

「俺の場合はガチじゃないからな、みんなでワイワイ、なあなあやるのが楽しいんだよ」

「なんだよ、なあなあやるって」

笑いながらも夜深はすぐに納得する。確かにそれは楽しそうだな、と。

同時に、多分それは自分が望んでいる楽しさとは違うのだろうな、と。

仲間達と同じ何かを共有し共感するだけなら中学生時代でも成せたことだ。

だが夜深が本当に望んでいるのは、夜深の体質じみたこのちょっと特殊な特技を活かし、それを受け入れてもらえた上で楽しめる、そんな居場所だった。

となると、部の活動だけでなく部員達とも良好な関係でいられて、かつ夜深の特技に不審や疑念を抱かれないような環境でなくてはならない。

それらの条件を満たす部活動は、現状ではやはり存在しないだろう。

「なんならサッカー部に見学に来るか?」

気さくながらも気遣いの込められた誘いに、首を横に振って柔らかく断る。

「いや、俺に合いそうなとこをもうちょっと探してみるよ」

「そっか、んじゃ俺も一緒に探してやるよ、結崎のやりたい部活」

「…………は?」

 

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