「うわっ、反応うっす」

リアクションを求めてくる視線は無視しつつ、ちょうどいいと思い問いかけた。

「笹野って確かサッカー部だったよな」

「うん? そうだけど……何急に?」

「いや、サッカーって楽しいのかなって」

「ああ、楽しいってか、メジャーなスポーツって注目されるし、モテそうじゃん?」

「しょーもな、お前に聞いた俺が間違ってたわ」

「え、これ真面目な話なの?」

いったいなんの話だと思ったのだろうか。夜深はジト目で溜息を吐(つ)く。

「そういうことなら先に言えよな」

気を取り直すように涼は少しトーンを抑えて話し始めた。

そうやって自然と相手の空気に合わせられるところや、裏表のない性格だからこそ涼とはすぐに仲良くなれたのだろうな、と夜深は言葉には決してしないがつくづく思う。

「ほら月峰って結構部活に力入れてんじゃん?」

「ああ、特に運動部の多くは県内でいつも成績上位らしいな」

月峰高校は偏差値に関しては全国平均レベルではあるが、部活動に関しては個人でも団体でも全国で活躍するレベルの部活が少なくない数で存在する。夜深が部活に興味を抱きながらも見学にすら踏み込めない理由の一つがそれだった。推薦枠で月峰高校に入学した生徒も数多く在籍しているので、部活に取り組む姿勢からしてハードルが高いのだ。