【前回の記事を読む】中学校の就任式で「何じゃ、こりゃ~」ゴソゴソ動き回り、先生の指示も聞かない生徒ばかりで、保育園か託児所みたい…
二 緊張と不安の中、教師生活最大の危機を迎える
その翌日、二〇一二年四月七日。
いよいよ入学式。
三年生を中心に、打ち合わせたように式は進行していく。
「さて問題行動を起こしそうな新入生のタレントはどこにいる?」見る限りは、わからなかった。過去の経験から言うと荒れた学校には、服装は乱れ、茶髪も金髪もメイクした生徒もいたものだけれど、そういう生徒は見られなかった。
これも後川校長を中心とした先生方がそれまでの二年間で指導された成果だったということは、後で知った。また、今年の入学式が整然と行われるための事前の準備を小学校とも十分時間をかけて連携したらしい。
新入生が三クラスに分かれて学級開きをしている様子は、私が所属する三年生の北校舎から見ても、数人がトイレに行くくらいで、特に心配はないのではないか。取り越し苦労かも…と思った。
三 スクールウォーズ再び
しかし、入学式から黄金の一週間を迎え、彼らの正体が見え始めたのである。
授業中、教室の中で立ち歩く生徒が見える。廊下に出て歩き回る生徒が見える。
それを制止しようとする先生方の動きも見えるが、こちら(三年生)も人材が豊富なため加勢に行くこともできない。
次第に、彼ら一年生の動きはより派手になってきた。
やがてガラスが割られることはしばしばで、対教師暴力・生徒間暴力も続出、火災報知器は毎日のように鳴った。
そして、一階の廊下を自転車で走る生徒も出現した。まるで、テレビドラマ『スクールウォーズ』の如くであった。
ドラマではオートバイが校舎内を走り回ったが、M中では一階を自転車が走ったのだ。
また何を思ったか、二階までわざわざネコ車を持ち上げて運び、二階の廊下を実際に走り、何かを運んだ生徒もいた。
すぐさま生徒指導担当の三島直己先生たちに取り押さえられたものの、スクールウォーズを思い起こしたのは私だけではなかったはず…。
なるほど、小学校の時から複数の問題行動があり学年崩壊を引き起こし、教育委員会はもちろん警察とも連携することが多かった学年である。かつて誰も経験したことのないほどの鳴り物入りで入学してきただけのことはある。(褒め言葉ではない。)
連日のように職員会議が開かれ対策が練られたが、これといった対策も打てず、打ったとしてもなかなか成果は現れないばかりか、事態は悪化の一途をたどった。
ある日の午後の職員会議で校長は、
「この先、二階で大きな音がしたり、怒鳴り声など大きな声がしたら、先生方は授業をストップして現場へ集合してください! とにかく職員集団が一丸となって事に当たること!」と檄を飛ばした。