潮岬灯台付近での結婚式をした数日後、イケちゃんとお姉さんが電話で話している。

「そういえば、アレってどうだったの?」

イケちゃんが、お姉さんに問いかけた。

「いきなり何よ。アレって……もしかして、アレのこと?」

「そうよ。高松港からのフェリーで話していたことよ」

「ああ、アレならもう心配ないわ。私の違勘(かんちが)いでした」

ふたりが話しているアレとは、お姉さんの妊娠疑惑のことである。お姉さんは平然とした口調でこたえたが、イケちゃんはちょっと気になっていた。

「本当に大丈夫なの?」

「えっ、私が落ち込んでいるとでも……」

「だって、おめでたいことだったかもしれないでしょ」

「もしも本当だったら……タイミングとしては、微妙(びみょう)だったよね」

お姉さんとしては、もしも「授(さず)かり婚」みたいになっていたら、両親がどんな反応をするのか不安だったのだ。

 

👉『ふたりの渚 ~誓いの先に、新しい命が宿る~』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】彼は私をベッドに押し倒し、「いいんだよね?」と聞いた。頷くと、次のキスはもう少し深く求められ…

【注目記事】「若くて綺麗なうちに死んだら、あなたの永遠の女性になれるかしら?」「冗談じゃない」彼は抱き寄せてキスし、耳元に囁いた