病期分類は、がんの種類によって異なるが、T因子、N因子、M因子の組み合わせで病期が決定され、一般的には0期からⅣ期に分類される。治療については次項で述べるが、大ざっぱに言えば、0期、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期の一部では手術治療、Ⅲ期で手術治療が困難な場合は放射線治療が中心になり、Ⅳ期になれば薬物治療の対象となる。

がんの治療

がんの治療は、手術治療、放射線治療、薬物治療が3本柱とされている(図2)。近年、免疫チェックポイント阻害剤が出現し、免疫療法を第(の柱として紹介されることもあるが、本書では、薬物治療に含めている。

図2 がん治療の3本柱

がん治療で最も古くから行われてきたのが手術治療で19世紀中頃から行われたが、全身麻酔が可能になったのが1840年代で最初の胃がんの手術が1881年とも言われている。いずれにしても、手術治療は19世紀後半から始まり長い歴史のもと、がん治療の中心的役割を担ってきた。

近年では、胸腔鏡や腹腔鏡などを用いた内視鏡下手術が標準的に行われ、さらに、ロボット支援下の手術も広く行われるようになり、患者の苦痛を軽減する低侵襲手術が主流となっている。わが国の手術治療は世界の先端を歩んできたと言える。

放射線治療は、1895年にドイツの物理学者レントゲン博士がX線を発見したことに始まり、直ちにがん治療への応用が試みられた。最初は、乳がんへの照射であったが、治療効果よりも疼痛軽減が主な目的であった。治療としては、1900年前後に皮膚がんに対して効果が見られたと報告されている。

 

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