【前回の記事を読む】原因不明と言われ続けた母の異変。「薬のせいでは?」と何度も訴えたのに、医師には聞き流されて……
第1章 介護を通じて育む家族の愛
前触れもなく始まった母の看病
体の数々の不調を抱えて個人クリニックを行脚し始めてから2、3年の月日が流れていました。
当初、数カ月の家事手伝いのつもりが、看護になり、いつの間にか介護になっていました。会わないうちに夫婦関係も悪化。この頃がもっともひどかったように思います。婚姻関係がありながら、年に数回会う程度でした。
総合病院の膠原病リウマチアレルギー内科にさらに半年以上通い、ようやくベーチェット病との診断がされました。
この病は、徐々に母を蝕(むしば)み、この19年で、事態はどんどん悪くなっていき、今は老人ホームで重度のアルツハイマー型認知症になってしまいました。ベーチェット病も治っていません。
ベーチェット病は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、目に現れる4つの症状を主症状とする慢性再発性の全身性炎症性疾患です。口腔粘膜、皮膚、目、外陰部において、急性炎症が反復することを特徴とし、増悪と寛解を繰り返しながら遷延化した経過を辿る難治性疾患で、自己免疫疾患のひとつです。
ベーチェット病の中でも大きな血管に病変が見られた時は、血管型ベーチェット病といいます。
深部静脈血栓症がもっとも多く、上大静脈、下大静脈、大腿静脈など、動脈、静脈ともに冒されていきます。動脈による病変としては動脈瘤がよく見受けられ、毛細血管が破壊されていき大きな出血に繋(つな)がる恐れも含んでいるのです。
古典的な膠原病には分類されないものの、膠原病類縁疾患と呼ばれており、近年、その本体の病気の主な症状は血管炎であると考えられています。
私の母の場合は、初期に、さまざまな症状を発症したものの、下血等の症状は収まり、緩やかな進行状態を維持しています。
これもひとえに医師のおかげと言えますが、もしも、もっと早い時期に総合病院に紹介されていて、相性の良い医師と巡り合えていれば、もう少し違った現状になっていたのかもしれません。