第二章 作れない色

太巻きとロウホウズ

詩麻は鎌倉の海に近い古民家に産まれた。

子供が育つには鎌倉は最適で、多くの魅力がある地だった。

鎌倉時代に栄えた武士の文化が現在でも息づき、数多くの歴史的建造物と美しい自然に囲まれている。

丘陵地帯で、海と山の自然が調和した美しい景色を楽しむことができ、紫陽花の名所や、秋の紅葉が美しい山々もある。

 また、鎌倉野菜などのローカルフードが多彩で何気ない小路に素敵なレストランやカフェがある。

紫衣は詩麻が産まれてから調色師の仕事を生かして鎌倉の草木を用いた草木染めを広げる仕事を始めていた。

化粧気もなく、自然体の紫衣は鎌倉の人たちに溶け込み、近所の漁師さんから魚やワカメをもらったりしていた。

詩麻はここで産まれたので鎌倉のローカルっ子となった。

ローカルっ子とは、その地元で産まれた子供を指す。

鎌倉ではローカルかそうでないかはとても大切で、サーフィンでもローカルだと扱いが大きく変わるのだ。湘南ローカルはサーフィンエリアでは幅を利かせている。

 

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