【前回の記事を読む】「老いては子に従え」は間違い? 親も子も“もめない”老後の備え方とは――
第1部 親の終活編
1.親の終活は最後の付き合い
1 老いても親は子には従わない
さて平均寿命前後の親に皆さんは子供としてどう接していますか。
親の好きな食べ物を体に悪いからと言って食べさせずに、これが体に良いからと親が食べたくないものを食べさせていませんか。
何を食べれば体に良いかということは、いろんなことが言われますが、本当はあまりわからないと考えた方が正しいと思われます。バターとマーガリンでさえどちらが良いかについてまだ決着はついていません。
一つ言えることは現実に子供より親の方が長生きしていますから、親の食生活に子供が忠告するのは間違いだということです。
ファッションのように、その時々で変化していく食べ物に対する捉え方に振り回される必要はないと思います。
まず親について事実として存在するのは、平均寿命を過ぎた親は何をしてもあと数十年も長くは生きないということです。
ひどいことは言わないでほしいと思うかもしれませんが、それを考えずに親に接するのは、本人の思いとは別にある意味親にとってひどい子供となってしまいます。
つまり自分の気持ちしか考えずに、親の気持ちを考えられない子供という意味です。間違いなく親は残りの人生をできるだけ好きなように楽しく過ごしたいと考えています。
平均余命年数表(ある年齢の人が、あと何年生きられるかという期待値で、厚生労働省が出しています。平均寿命は0歳の乳幼児が生存するであろうと考えられる平均年数のことで、高齢者の残存年数には使えません)で見ると、令和3年には男性で80歳の人は残りの平均余命は約9年で、女性は約12年です。
あくまでも平均ですが、この10年前後の残りの人生を、健康のためといい、好きでもないものを食べさせ、また好きでもないことをやらせて暮らさせることは親の生活の幸福度、生活の質を下げます。
後の人生が短いからこそ、多少のわがままも聞いてあげて、親に好きなことをさせてもよいのではないかと私は考えています。