母自身は、症状が悪化していくにつれ、徐々に薬のせいで自分の体が変調をきたしているということに気付いていったようです。行く先々で自分の不調と薬が原因なのではということを何度も何度も訴え続けましたが、きちんと話を聞いてくれる医師となかなか巡り合えませんでした。

特に個人クリニックでは専門外のことはわからないと言われて、随分と冷たい対応をされたそうです。

家族には心配をかけたくないと、ひとりで必死に、自分の知り得る限りの医療機関に問い合わせていました。

最初に母の話を丁寧に聞いてくれたのは、薬局の薬剤師だったそうです。母はそれまでに服用した薬と点眼した目薬の記録と、それによって引き起こされた副作用と思われる事象を、余すところなく薬剤師に打ち明け、どうしたらよいか解決策を請いました。

薬剤師は母から十分に話を聞いた上で、「もしかしたら薬の副作用によるものかもしれないので、厚生省に電話をかけてみてはどうですか?」とアドバイスをしてくれました。

さっそく、母は当時の厚生省に電話をかけ、状況を話したところ、「それは膠原病(こうげんびよう)かもしれない」という回答が返ってきました。この時、厚生省の方は、とても丁寧にこちらの話を聞いてくれたそうです。

薬剤師も厚生省も初めから薬の副作用を疑って、指摘してくれていました。母本人が自分の体の不調を自覚し始めた時から、薬の副作用は表れていたのです。厚生省から難病の申請をしてくれる総合病院に移ったらどうかとアドバイスを受けました。