3 遺産の範囲
(1) 遺産とされるもの
遺産分割の対象となる財産は、被相続人の一身に専属するもの(例えば、生活保護を受給する権利など)や墳墓などを除く、被相続人に属した一切の権利義務です。
相続の対象となる遺産の中には、遺産分割協議をしなければ相続人が取得できないものと、相続人間の遺産分割協議をしなくとも相続発生と同時に相続人がその遺産を取得するものがあり、遺産の全てが遺産分割の対象になるものではありません。
(2) 遺産分割の対象にならないもの
①可分債権や負債
可分債権や負債は原則としては遺産分割の対象になりません。可分債権や負債は、遺産分割をしなくともそのまま相続分に応じて分けられることができるため、原則と
して相続発生と同時に法定相続分に従って各相続人に分割されます。
可分債権とされるものについて、例えば、被相続人が他人に貸していた貸金債権、損害賠償請求権などは遺産分割をしなくとも各相続人が各自の相続分に従って請求することができます。
他にも被相続人が賃貸物件を所有していた場合に、その死亡後に発生した賃料については遺産分割をしなくても各相続人が各自の相続分に従って取得することができます。
この賃料については、遺産分割協議によって賃貸物件を取得する相続人が確定するまで各自の相続分を取得することが可能です。相続人全員が遺産分割の対象に含めることに合意した場合には遺産分割の対象にできます。