看護師さんも、私が気付いた限りでは夜中に4、5回は病室に見廻りに来ている。

矢張り、日を追う毎に利恵子は弱って来ている。今日は15時半には帰れず17時迄居た。

夕方主治医の山中先生が入って来た。

利恵子の指は血行が悪くて、酸素量(SPO2)を測れないとの事。じゃ何で分かるのか?

山中先生は手で利恵子の脈拍を測っていた。結局最後はディジタルよりはアナログなのだ。結果は言ってくれないし、私も聞かなかった。

恐らく脈拍が微弱になっているのだ。

手で測るのなら私でも出来る。明日測って見よう。

利恵子はベッドで盛んに手を動かして鼻酸素吸入器や首のチューブ(これが外れると即、命に関わる)を外そうとする。その度に吸入器を鼻に嵌めるようにする。

余り酷い時は看護師さんが家族の了解を得て利恵子にかなり大きな手袋を嵌める。身体拘束だ。

酸素量(SPO2)が瞬間的に30台迄下がった。酸素吸入はマックス16リットル迄入れている。もうこれ以上は供給不能。

原因は機械の方にあり、指先に血液が回っていないので正確な数値が図れないとの事。血液循環が悪いのは全身状態が悪化しているからだ。

今迄に無い新しい症状、データが出るのはそれだけ病気が進んでいる証。

今日は利恵子の状態が良くないので中々帰れない。17時過ぎに後ろ髪を引かれる思いで、やっと帰る決心をして病院を出た。

帰宅して買い物を冷蔵庫に入れ、風呂を沸かして湯船に浸かって1分もしない内にスマホの着信音が、けたたましく鳴った。スマホは風呂場の入口の洗濯機の上に置いて、いつでも取れる様にしている。

表示を見ると天理総合病院だ。遂に来た。

利恵子の血圧が50.20、直ぐに病院に来て欲しいとの事。急いで服を着て、天理に向う。利恵子は今度こそ、もう駄目だ。

次回更新は1月16日(金)、11時の予定です。

 

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